Adobe-Japan1において、文字「帰」(U+5E30)に対応するグリフは、CID=1596とCID=13429の2つがあります。

小塚明朝では、この2つのグリフの形が違います(黒がCID=1596、赤がCID=13429)。

ヒラギノ明朝 ProN(Ver. 8.10)では、この2つのグリフの形は同じです。区別しないこと自体はフォントのポリシーなのでかまわないのですが、不思議なことに、この2つのグリフは位置(?)が違います。重ねてみるとよくわかります(黒がCID=1596、赤がCID=13429)。

「奥深い」という意味の漢字「窕」(U+7A95)に対応する2つのグリフ(CID=5933とCID=13573)も同様です。

小塚明朝では、この2つのグリフの形が違います(黒がCID=5933、赤がCID=13573)。

ヒラギノ明朝 ProN(Ver. 8.10)では、形は同じで位置が違います(黒がCID=5933、赤がCID=13573)。

私が調べた限りでは、ヒラギノ明朝 ProN(Ver. 8.10)に含まれる漢字で、このように形が同じにもかかわらず位置が違うのは、「帰」(U+5E30)と「窕」(U+7A95)の2文字だけです。ちなみにヒラギノ角ゴ ProN(Ver. 8.10)では、ここで紹介した文字の2グリフの位置は同じです。

他にもあったら教えてください。

関連:小塚明朝では区別され、ヒラギノ明朝では区別されない漢字のペア231組

補足:CIDで文字を指定する方法「安岡孝一. Adobe-Japan1-6とUnicode–異体字処理と文字コードの現実. 情報管理. Vol. 48, No. 5, pp. 487-495, 2005.」を参照してください。