ポンティング『緑の世界史』
マンガ版の『風の谷のナウシカ』が完結したとき、インタビューの中で宮崎駿さんは次のように語っていました。
やっぱりナウシカの世界を突き詰めていくと、『緑の世界史』にいきつくね。その冒頭のイースター島のエピソードだけでもどうぞ読まれてみたらと思う。それを読むと、何も産業革命や、ハイテクを使うようになったからということ以前に、もう農耕をはじめたり、プロメテウスの火をもらった時から、どうもこの生き物というのは、業を背負っているなと。そういうことで。機械文明とか何とかということほどシンプルな問題ではないと思いますよ。(『コミック・ボックス』1995年1月号 p.11)
『緑の世界史』のイースター島のエピソードとは、石像を運ぶために人間が木を伐採しつづけた結果、森林が破壊され、文化が衰退したというものでした。
ナウシカの背後の文明観を支えるものとして、これは確かにわかりやすいエピソードでした。事実なら。